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もっちー

電気自動車(EV)の仕組みや機能を詳しく解説

更新日:8月19日



徐々に普及してきた電気自動車ですが「正直どのような仕組みで動いているのかわからない……」という方も多いのではないでしょうか。

電気自動車は電気をエネルギー源として動くため、走行中に二酸化炭素を排出しない、エコな乗り物です。


本記事では、電気自動車の仕組みや、主にどのような機能が備わっているのかを詳しく解説します。

従来のガソリン車から、電気自動車への乗り換えをお考えの方は、参考にしてください。


目次


電気自動車(EV)の仕組み


電気自動車は、ガソリンの代わりに電気を燃料として走る、環境に優しい新時代の乗り物として、注目を集めています。

しかし、電気自動車がどのような仕組みで動いているのか、正確に理解している人は少ないかもしれません。


電気自動車は床下にバッテリーを搭載していて、そこに蓄えた電気を使ってモーターを駆動させます。

モーターがガソリンエンジンの役割を果たすので、走行時に排気ガスが出ることはありません。


なお、電気自動車は燃料としてガソリンを要しないので、給油口ではなく、充電ポートが備わっています。

航続距離(走行距離)

電気自動車をフル充電したときの航続距離は、短い車種でも200km以上、長い車種では500~800km程度です。


一般的な航続距離が600~1500km程度のガソリン車と比べると、どうしても劣っているように感じてしまいますが、だからといって使い勝手が悪いとは限りません。

コンビニエンスストアやパーキングエリアなど、電気自動車の充電スポットのある場所は、身近に存在しています。

これらの充電スポットを活用すれば、航続距離について不自由に感じることは少ないはずです。

回生ブレーキ

電気自動車特有の機能の1つに「回生ブレーキ」があります。

この回生ブレーキによって、走行時に生じる運動エネルギーを、電気エネルギーに変換して、再利用することが可能です。


走行中の自動車を減速させるときには、必ずエネルギーが発生します。

従来のガソリン車では、減速時に運動エネルギーを熱エネルギーに変換し、大気中に放出する「摩擦ブレーキ」が採用されていました。


一方で、電気自動車の場合は、減速時にモーターが発電機として作動し、自動でバッテリーに充電される仕組みとなっています。

エネルギーを無駄にせず、航続距離を伸ばせる点が、回生ブレーキのメリットです。


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電気自動車とほかのエコカーの違い


従来のガソリン車やディーゼル車とは異なり、環境に優しい燃料で動く自動車をエコカーといい、電気自動車もその一種です。

日本では、排気ガスの排出量や燃費が一定の基準をクリアしている自動車のみが、エコカーに認定されます。


エコカーは燃料の違いによって、いくつかの種類に分けられます。


【エコカーの種類】

種類

燃料

燃料

電気自動車(EV)

電気

車載バッテリーに電気を蓄えて、モーターを回転させて走る

ハイブリッド車(HV)

電気、ガソリン

エンジンとモーターの2種類の動力源がある

※ただし、外部からの充電は不可能

​プラグインハイブリッド車(PHV)

電気、ガソリン

エンジンとモーターの2種類の動力源がある

外部からの充電が可能で、HVよりもモーターで走れる距離が長い

燃料電池車(FCV)

水素

水素と酸素の化学反応で電気を生み、モーターを回転させて走る

広義では、電気を用いる車全般を電気自動車とよび、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車も含まれます。

特に電気のみを用いて走る車を指すときは、バッテリー式電気自動車(BEV)とよばれるのが一般的です。


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電気自動車(EV)の走行モード


電気自動車にはほかの自動車と同様に、さまざまな走行モードが備わっています。

走行モードとは、道路の交通量や状況に応じて、走行をサポートする機能です。


環境ごとに適切な、速度やアイドリングの設定が、ボタン1つで切り替えられます。

走行モードを使いこなせば、電気の消費を抑えられるため、うまく活用したいところです。


走行モードの名称はメーカーや車種によって異なりますが、今回はBYDの『ATTO3』を例に、どのような種類があるのかを見てみましょう。

ノーマルモード

その名の通りノーマルモードは、モーター出力と電費のバランスに優れた、標準的な走行モードです。

電気自動車ならではの、静かで落ち着きのある走行を体感できます。


特に配慮が不要な場面では、ノーマルモードを選択しておけば間違いありません。

エコモード

ガソリンの代わりに電気を使って走る電気自動車では、燃費の代わりに電費という言葉が用いられます。

モーターの出力を抑制して、電費を向上できる走行モードが、エコモードです。


出力を抑えるといっても、市街地を普通に走行するのであれば、十分に安定感のあるパフォーマンスが発揮されます。

スポーツモード

疾走感のある走りが求められる際には、スポーツモードをお試しください。

スポーツモードの状態でアクセルを踏み込むと、素早く加速して、電気自動車の力強さを感じられます。


高速道路では、ノーマルモードからタイミングを見て切り替えてみましょう。


電気自動車(EV)の機能


最新のテクノロジーが注ぎ込まれた電気自動車には、従来のガソリン車にはなかった便利な機能が多数備わっています。


ここからは、快適なドライブの実現をサポートしてくれる、電機自動車の代表的な機能を紹介します。

どのような機能が使えるのかは車種によって異なりますが、購入を検討する際の参考にしてください。

機能①電力消費表示

ガソリン車の場合は、燃料の消費量をガソリンランプで確認できますが、電気自動車でも同じように、電力消費量の確認が可能です。

モーター、エアコン、オーディオなど、それぞれの電力消費を確認できるため、どの機能にどれくらい電気を使っているのかが、ひと目でわかります。


また、エアコンをつける場合とつけない場合で、航続可能距離がどれくらい増減するのかも把握できます。

表示された情報をもとに、充電を要するまでの残り時間を判断しましょう。

機能②充電スポット案内

一部の電気自動車では、現在地の情報を取得して、周辺の充電スポットを検索できます。

目的地に向かう途中で充電が必要な際に、役立つ機能です。


マップ上に充電スポットを表示し、現在地からの道のりをナビゲーションしてくれます。

なお、自宅周辺の充電スポット情報を、自動的に更新してくれる車種もあります。

機能③タイマー充電

電気会社との契約によっては「電気料金が安い夜間に、電気自動車を充電しておきたい」と考える方もいるでしょう。

そんなときに便利な機能が、タイマー充電です。


充電したい時間帯をあらかじめ設定しておけば、充電の開始と停止が自動で実行されます。

タイマーの時間は曜日ごとに設定できたり、1週間ごとに繰り返し利用できたりするので、毎日セットする必要はありません。

機能④リモート充電

タイマー充電を設定したうえで、設定時刻以外のタイミングで、車を充電したい場合に役立つのが、リモート充電の機能です。


通常、電気自動車は、充電ポートに接続した瞬間に充電が始まりますが、先ほど紹介したタイマー充電を設定している場合、設定時刻にならなければ充電が行われません。

リモート充電では、電気自動車から離れていても、遠隔操作で充電を開始できるため、イレギュラーな事態にも対応できます。

機能⑤省エネルート案内

電気自動車は山道や高速道路などを走るときに、通常より多くの電力を消費します。

そのような道を避けて、電費のよいルートを提示してくれるのが、省エネルート案内です。


また、到着時のバッテリー残量の予測も教えてくれるので、ルート選びの際に役立ちます。


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電気自動車(EV)の充電方法


さまざまな機能を搭載している電気自動車ですが、利用に際して充電は欠かせないプロセスです。

この項では、電気自動車に用いられる充電方法と、主な充電場所を紹介します。

電気自動車の充電方法

電気自動車には、一般的に2つの充電ポートが用意されています。

片方が「普通充電用ポート」、もう一方が「急速充電用ポート」です。

使用する充電設備に応じて、それぞれの充電ポートを使い分ける必要があり、充電に要する時間が異なります。


各充電方法の特徴と、充電時間を確認してみましょう。

普通充電

普通充電は、単相交流100V、あるいは単相交流200Vのコンセントを使用する充電方法です。

普通充電用の充電設備は、急速充電用のものと比べて設置コストが安いため、戸建て住宅やマンション、商業施設などでよくみられます。


電気自動車の車種によって異なりますが、フル充電にするまで5~8時間必要です。

単相交流100Vのコンセントを使用した場合、およそ1時間の充電で10km走行できるだけの電気が蓄えられます。

単相交流200Vのコンセントなら、この半分の30分で10km走行が可能です。


このことから、普通充電は、電気自動車を使用しない時間帯を活用して、ゆっくり充電する際に適した方法といえます。

急速充電

急速充電は、3相200Vの高出力の電源を使用し、短時間で電気自動車を充電する方法です。


急速充電用の設備は、長距離を走行する電気自動車の充電を目的とし、ガソリンスタンドやサービスエリアをはじめとする、公的スポットを中心に設置されています。

ドライバーは、あらかじめ充電設備の場所を把握しておけば、長距離の移動があっても走行中にバッテリーが空になるリスクは回避できるわけです。


30~40分で80%程度まで充電することが可能であり、外出先での電気の継ぎ足しに使える充電方法といえます。

充電場所

充電設備は、街中でも見かける機会が増えてきました。

電気自動車の所有者が自宅に設置するケースもありますし、市役所や道の駅、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、宿泊施設などに併設されていることもあります。


電気自動車の充電設備の設置は、国や自動車メーカーを中心に進められています。

2023年3月時点で、全国に約2万1,000か所の充電設備があり、現在も増設中です。

経済産業省では「2030年までに充電インフラを15万基設置する」との目標を掲げているため、今後急ピッチで増えていくことが予想されます。


近年では、コンビニエンスストアやショッピングセンターの駐車場にも設置され始め、電気自動車ユーザーの利便性は、ますます高まっていきそうです。


参照元:経済産業省


電気自動車(EV)のメリット


ここまでで、電気自動車にさまざまな便利な機能が備わっていることを理解いただけたのではないでしょうか。


ここからは、電気自動車を利用するメリットについて、あらためて紹介します。

メリット①走行中の騒音が少ない

電気自動車のメリットとして、まず挙げられるのは、騒音の少なさです。

ガソリンエンジンを使わない電気自動車は、振動や騒音が少なく、静かに走行できるので、早朝や深夜の運転も問題ありません。


また、静かではあるものの、加速力は強く、スムーズに運転できます。

メリット②二酸化炭素を排出しない

電気自動車は電気を燃料としているので、走行中に二酸化炭素を排出しません。


製造の過程で二酸化炭素を排出している点が問題視されているものの、今後は再生可能エネルギーを利用することで、改善されていくと予想できます。

長期的に見て、地球に優しい乗り物である点は間違いありません。

メリット③非常用電源として使える

電気自動車は、電気を蓄えたバッテリーを非常用電源として活用できます。

家庭用コンセントから電気を利用できない場面でも、車両に接続することで給電できるため、アウトドアや災害時に重宝します。


なお、非常用電源として活用するには、専用の車載コンセントが必要です。


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メリット④ランニングコストが安い

ランニングコストの安さも、電気自動車の魅力の一つです。

具体的にどの程度安いのかを把握するため、電気自動車の電費と、ガソリン車の燃費を比較してみましょう。


電気自動車とガソリン車の走行コスト(1万km走行時)


必要な電気・ガソリン

費用

電気自動車

1,538kWh

4万9,216円

ガソリン車

666L

11万3,220円


電気自動車で1万km走行する際、およそ1,538kWhの電気を消費します。

1kWhの電気代を32円と仮定すれば、その費用は4万9,216円です。


ガソリン車の場合、同じ条件で1万km走行するには、約666Lのガソリンが必要です。

ガソリン1Lを170円と仮定すると、11万3,220円かかることになります。

ガソリン価格には、ガソリン税53.8円/Lが含まれるので、この差もあるのですが、税抜きで見てもガソリンに対する電気のコスト安は圧倒的です。


また、電気自動車は、ガソリン車のようにエンジンオイルを交換する必要がないため、そのぶんの費用も抑えられます。

メリット⑤補助金・減税制度が適用される

電気自動車を購入すると、国や自治体が推進する補助金・減税制度を利用できます。


その一例として、「CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)」が挙げられます。

CEV補助金は、電気自動車やプラグインハイブリット車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)などのCEVを購入した際、国から補助金を受け取れる制度です。

温室効果ガスの削減を目的とした施策であり、ガソリン車と比較して販売価格が高いCEVの購入を促す狙いがあります。

電気自動車の場合、最大85万円の補助金が交付されます。


そのほか、排出ガス性能および燃費性能に優れた自動車に対して、自動車重量税を免税・軽減する「エコカー減税」も、電気自動車導入促進策の一つです。

購入した対象車の環境性能の高さに応じて、税負担が軽くなります。


ここで紹介したもの以外にも、電気自動車を対象とした地方自治体による補助金・減税制度がありますので、購入を検討される際は、調べてみることをおすすめします。


電気自動車(EV)の注意点


さまざまなメリットを享受できる電気自動車ですが、購入に際してはいくつか注意点があります。

電気自動車に関心のある方は、以下のポイントも押さえておいてください。

注意点①ガソリン車と比較して販売価格が高い

電気自動車は、同クラス同カテゴリーのガソリン車と比べて、販売価格が高いことは否めません。

電気自動車の販売価格は、300万~500万円程度です。

一方、ガソリン車なら100万~300万円程で購入できるため、優に100万円以上の差額が生じることになるわけです。


電気自動車が高額な理由の一つとして、電気自動車に搭載されているバッテリーの生産コストの高さが挙げられます。

電気自動車のバッテリーには、一般的にリチウムイオン電池が使用されています。

リチウムイオン電池は、その名の通り、希少金属であるリチウムを原料とした、小型かつ耐久性に優れた電池です。

電気自動車メーカーでは、次世代電池の開発・実用化を進めていますが、リチウムイオン電池への依存から脱しない限り、コストダウンが難しいのが実情です。


電気自動車を購入する際は、前述した補助金・減税制度を上手に活用して、できる限り費用負担を抑えるようにしましょう。

注意点②充電設備が必要になる

電気自動車に乗るなら、自宅に充電設備があることが望ましいです。


所有者の自宅が戸建て住宅なら、10万~40万円程度の工費をかければ専用コンセントの設置が可能です。

しかし、集合住宅となると、設置するためにほかの入居者やオーナーからの同意を得なければならず、すんなり充電設備を置けるとは限りません。


街中の充電設備も増えつつありますが、まだ満足な数とは言えないでしょう。

高速道路のサービスエリアやパーキングエリアでも、ゴールデンウィークや帰省ラッシュ時には充電待ちの列ができることも珍しくありません。

また、大都市圏に比べ、充電設備の数が圧倒的に不足している地方となると、充電難民問題はより深刻です。


ただし、国の後押しを受けて、充電設備が不足している問題は、今後数年のうちに解消に向かうことが予想されます。

注意点③充電に時間を要する

充電に時間がかかるのも、電気自動車の難点の一つです。

ガソリン車なら、4分もあれば、給油を済ませることができます。

しかし、電気自動車においては、普通充電でおよそ8時間、急速充電でも15~30分はかかり、ガソリン給油に比べるとまだまだ圧倒的に時間を要します。


車を運転しない夜間に充電を済ませておいたり、充電中に休憩をとったりなど、充電時間をいかに有効活用するかが、電気自動車とうまく付き合うコツなのです。

注意点④航続距離が短い場合がある

改善されつつありますが、電気自動車は、ガソリン車と比べて航続距離が短い傾向にあります。

電気自動車の航続距離は、車種によって異なるものの最大200~600km、これに対しガソリン車は600km以上、なかには1,500km近く走行可能な車種もあります。

そのため、長距離運転される方からすると、電気自動車に心もとなさを感じるかもしれません。


とはいえ、電気自動車にも長距離の連続走行が可能なモデルが、続々と登場しています。

電気自動車の走行性能はどんどん進化しており、今後の技術開発次第では、ガソリン車の航続距離と肩を並べ、これを追い越す車種が登場しても、不思議ではありません。


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電気自動車は便利な機能が満載の新時代の乗り物


今回は、電気自動車の仕組みと、利用できる代表的な機能を紹介しました。

電気自動車には従来のガソリン車にはなかった、便利な機能が多く備わっています。


メーカーや車種によって、走行モードや機能に差があるものの、うまく使いこなせば快適なドライブライフが実現します。

そのため、電気自動車を選ぶ際は、それぞれの車種にどのような機能が備わっているのか、確認したいところです。


BYD横浜中央では、最新技術を搭載した電気自動車を、多数取り揃えております。

車種ごとの機能についても詳しく説明させていただきますので、ぜひ足をお運びください。


また、『BYD ATTO 3』と『BYD DOLPHIN』の試乗も可能です!

BYD ATTO3の試乗レポートと、BYD DOLPHINの試乗レポートも公開中ですので、ぜひあわせてご覧ください。


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