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もっちー

電気自動車(EV)を買い替えるベストなタイミングとは



電気自動車(EV)について見聞きすることが多くなってきた昨今、「うちも次の車検で電気自動車に買い替えるか」と検討中の方はいらっしゃいませんか。

「まだ、EVは高いし、充電インフラも少ないから」と様子見のご家庭も多いかと思いますが、そろそろ情報収集といきましょう。


本記事では、これからいくつも訪れる電気自動車への買い替え好機について一つひとつ、じっくり解説していきます。

電気自動車に興味のある方はぜひお読みください。


目次


電気自動車に買い替えたいと考えている方の比率


民間機関の調査によると、「今後3年以内に自動車の購入を予定している人」のうちPHEVやEVを検討している人は、合計で約24%に上るとのことです。

この「3年以内」を「いつかは」に変えると、割合は4割強に達します。


この調査は、自動車の購入・代替を検討している20~69歳の男女1,959名を対象に2022年4~5月に実施されたものです。


同調査レポートでは、潜在的なEV需要は十分だが、「車両購入価格の高さ」と「充電インフラの整備」という2点を解決していくことが必要だろうと指摘しています。


現状では、ガソリン車とHEVの人気が高く、EV・PHEVは「今後3年以内の選択肢」としては2強に水を開けられた3番手、4番手でした。


注)PHEV=プラグインハイブリッド車、EV=電気自動車、HEV=ハイブリッド車


ガソリン車から電気自動車へ買い替えるタイミング


ここからは、「今後3年以内に」、あるいは「いつかは」電気自動車に買い替えたいと考える人にとって、買い替えのチャンスはいつか、を探っていきます。

さしずめ、EVの価格が下がる時期と充電インフラが整備されるタイミングは買い替えの好機といえそうですが、それぞれのタイミングはいつ頃になるでしょうか。


以下で確認しておきましょう。

価格が低下するタイミング

電気自動車がガソリン車より割高になる最大の理由は、バッテリーにあります。

というのも、電気自動車の価格の3分の1は電池の価格といわれています。

現在主流のリチウムイオン電池には、コバルト、ニッケル、マンガン、リチウムなどのレアメタルが使われており、原材料費がとても高価です。

つまり、大容量のバッテリーを搭載すれば必然的に車体価格は跳ね上がってしまいます。


EVの価格を下げるには電池の低価格化が必須ですが、“次世代電池の本命”と目される「全固体電池」はトヨタなどの内外メーカーが開発に取り組んでいる最中です。


トヨタは2027~2028年に全固体電池の実用化を目指していますが、全固体電池もリチウムを使わないわけではなく、肝心のコスト面でも当初は非常に高額になると見られています。

したがって、実用化されても、当面はレクサスの超高性能車用などに限定して使われるのでは、との見方もあり、普及フェーズに入るのは2030年代になる公算が大きいようです。


トヨタは現在、全固体電池の開発とともに、普及価格帯EVに搭載する手頃価格のバッテリーとして、LFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーの開発を急いでいます。


これは後述する、中国メーカーBYDが全モデルに搭載しているバッテリーで、コバルトやニッケルを使用しないため、コストを抑えることができ、しかも高性能です。

BYDはこのバッテリーによって、同クラス・同性能の他のメーカーの車種より、低価格を実現しています。

トヨタも現在はBYDにLFPを依存していますが、自社で開発製造できれば、今後のコスト競争力は優位になります。


注目の的は全固体電池であっても、EV値下げの鍵は、BYD以外の主要メーカーにいかにLFPバッテリーが普及するかにかかっているのかもしれません。

インフラが整備されるタイミング

買い替えに悩む人が、様子見を決め込んでいるもう一つの主要因はEVの充電インフラの不足です。2023年3月現在、EV向け充電スタンドは全国に29,969基で、うち急速充電器は8,995基、普通充電器(100V/200V)は20,974基となっています。


こうした現状に対し、東京都のように「新築マンションや戸建住宅への電気自動車の充電設備義務化」を打ち出した自治体もありますが、国も手をこまねいているわけではありません。


政府は2021年6月、「2030年までに公共用も急速充電器3万基を含む充電インフラを15万基設置する」という目標を発表しました。

その後、2023年10月には、「充電インフラ整備促進に向けた指針」を公表し、2030年までの充電器設置目標を倍増の30万基へと引き上げました。

急速充電器の目標数は3万基で据え置きですが、充電期総数はあと7年以内に現在の10倍にしようというのですから、相当な急ピッチで増やそうというのが分かります。


これを含む同指針で示されたポイントは以下の通りです。


充電インフラ整備促進に向けた指針の主なポイント

  • 世界に比肩する目標の設定:充電器設置目標を倍増

  • 高出力化:高速道路では90kW以上で150kWも設置、高速道路以外でも50kW以上を目安とし、平均出力も倍増させる(40kw→80kw)

  • 効率的な充電器の設置:限られた補助金枠で入札制により費用対効果の高い案件を優先


充電インフラは、数のうえではすでに、減少一途のガソリンスタンド(=SS) 令和4年度末27,963か所=前年度末比512減と逆転するところまできています。


ただし、急速充電器はまだ1万基に満たないわけですから、現状ではSS数の3分の1程度ですが、給油・充電の時間差を考えると実際のハンデはこれ以上です。

ガソリン車の満タンまでの所要時間約5分と比較して、急速充電(50kw)で80%までの充電にかかる時間は30分ですから、現状ではユーザーの苛立ちは解消しません。


経産省の計画は、この充電インフラの弱点を、急速充電器を中心とした出力アップと、普通充電器を含めた基数の大幅拡充で対応しようというものです。

仮に、高速道路SA内の急速充電器の出力数が50kwから90kwにアップされた場合、80%充電までに要する時間は30分から17分ほどになり、だいぶガソリン車に近づきます。


長い待ち時間解消に向けた取り組みは民間でも進んでいて、6台同時に充電ができる高出力急速充電器の整備を始めた企業も出てきました(株式会社eモビリティパワー)。

これらの動きから、EVの充電インフラは2020年代後半から2030年までの間に、総数・能力ともに拡充することが期待されます。


参照元:経済産業省「充電インフラ整備促進に関する検討会」事務局資料


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電気自動車への買い替えを検討する際の見極め方


価格の低下や充電環境以外にも、EVへの乗り換えをうかがうタイミングはこの先、いくつもやってきます。

ここからは、買い替えタイミングを左右するその他のポイントを紹介します。

ポイント①2030年に引き上げられる電気自動車のラインナップ

日本がEV元年とされたのは2022年のことです。低かった新車販売台数に占めるシェアも徐々に上がり、現在では軽タイプのEVを含め4%台まで上向いてきましたが、これはまだ助走にすぎません。

今後、2030年までに、各社は続々EVの新モデルを市場投入してくるでしょうが、特に注目されるのは、EV界に遅れてきた巨人・トヨタの動向です。


HEVとFCVの開発・生産・販売に注力してきたトヨタのEV販売力は弱く、2022年の販売台数は約24,000台、全販売台数の0.23%でしかありませんでした。


そんな同社は現在、「2025年からEVの生産に本腰を入れ始め」「2030年までに30種のEVを展開し2030年に世界で350万台を販売する」目標を掲げています。

2025年からは量産体制を整え、2026年には年150万台の販売と10車種投入により、EV界に本格参入の意向です。


迎え撃つ既存勢力側も対トヨタ要撃作戦に出てくるはずで、2025~2026年にかけてEV国内市場の派遣争いが一挙に本番を迎えるのではないでしょうか。

ポイント②自動運転レベルの実用化

電気自動車の普及には、歩調をほぼ合わせて進捗している国の自動運転技術とも関連が指摘されています。


自動運転の技術到達度は5つのレベルに分けられ、現在はレベル3までの車が商用化され、レベル4以降については、導入に向けたさまざまな実証実験が進んでいる段階です。

レベル4については当初計画よりやや遅れて、2025年をめどに高速道路で実用化が始められる予定です。


自動運転レベル4の自家用車が実用化されれば、ドライバーは走行中の車内で食事や読書、映画鑑賞を可能にするなど、運転以外にできることが拡がります。

同じ電子制御で動く電気自動車との相性も良く、最新の自動運転技術を搭載した電気自動車の登場は、ガソリン車からの買い替えを促すきっかけとなりそうです。

ポイント③補助金が打ち切られるタイミング

現在の国や補助金の「CEV補助金」はEV、PHEV、FCVなどを対象に実施されていますが、交付条件や限度額は毎年見直されています。おそらくではありますが、EVなどがある程度の普及率に達したら、先進諸外国同様、交付額の大幅縮小や制度自体の打ち切りもあり得るでしょう。

これは、2026年3月末ないし4月末までが実施期限とされている、EVなどに対する税制優遇措置も同様です。


黎明期の現在ならではの補助金制度を活用するか、EVが十分に普及し、補助金なしでもガソリン車並みの価格になるのを待って買い換えるのか、判EV断に迷うところです。


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電気自動車の買い替えに踏み切るにあたって知っておきたい補助金


国が交付する電気自動車への補助金は、2023年11月時点では、次世代自動車振興センターが窓口の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の1種類です。


EV購入の補助金にはこのほか、地方自治体が実施するものもあります。

補助金は国と自治体のそれぞれから受給できるほか、自治体の補助金は、都道府県と市区町村の補助金を併せた「二重取り」ができる場合もあるので対象地域か否か調べてみましょう。

CEV補助金

CEV補助金の対象車両はEV、小型・軽EV、PHEV、FCV、超小型モビリティ、電動二輪、ミニカーで、ハイブリッド自動車は対象外です。

それぞれの車の補助金の限度額は、EVが条件付きで85万円(通常65万円)、小型・軽EV、PHEVが55万円、FCVが255万円、超小型モビリティが定額35万円です。


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電気自動車の買い替えに向いている方


ここまで、電気自動車を買い替えるタイミングをさまざまなポイントを解説してきましたが、そもそも電気自動車の買い替えに向いている人とはどんな方でしょう?

電気自動車の特性から浮かんでくるそのタイプとは、次のような属性の方ではないでしょうか。


電気自動車への買い替えに向いている方

  • 環境への意識が高い

  • 近距離移動が多い

  • 静かでスムーズな走りを楽しみたい

  • 自宅敷地内に充電設備を設置できる

  • 太陽光発電や蓄電池と併用したい


まだあるでしょうが、ざっとこんなところかと思われます。

電気自動車は充電器のセットで購入すると利便性と経済性が高いので、自宅で充電可能な方はEVに特に向いているかもしれません。

自宅に太陽光発電と蓄電池があるなら、EVへの無料電力の供給と蓄電池への余剰電力の出し入れでより一層使い勝手が良くなるので、検討の価値は大いにありそうです。


電気自動車に買い替える際の選び方


ガソリン車ほどまだラインナップが充実していないのが、電気自動車の弱点の一つです。

そんな、電気自動車の購入時にチェックしておきたいポイントはズバリ、「予算」「航続距離」「ボディタイプ」の3つです。


それぞれの概要を確認していきましょう。

①予算

車両価格だけを見ると、電気自動車はガソリン車などに比べて割高ですが、燃料費などのランニングコストは安く、部品数が少ないためメンテナンス代も安く済みます。前述したように、国や自治体から補助金や税制優遇措置も支給されているので、実購入コストはカタログ価格より100万円前後安くなるはずです。


電気自動車を購入する際にはこれらを念頭に、トータルコストで予算を考えましょう。

②航続距離

次にチェックしたいのが「航続距離」です。

電気自動車は同じ車種でも、搭載されているバッテリーの容量が大きければ航続距離も長くなり、それが車両価格を左右する要素となっています。

40kWhのモデルと60kWhのモデルでは航続距離が100km以上違いますが、100万円以上の価格差があるので、値段と距離を比較考量して選ぶとよいでしょう。


安価なLFP電池を搭載するBYD車が刺激となって、今後はバッテリー容量の大きい、航続距離が長い車種にも価格下げが波及していくとみられます。

③ボディタイプ

ガソリン車などに比べると車種が少なく、選べるボディタイプが限定される電気自動車。

現在発売されている軽乗用車EVの日産「サクラ」も三菱「eKクロスEV」は、いずれもヒンジドアのハイトワゴンのみ、大衆車クラスのボディサイズはSUVが主流です。


ハイトワゴンもSUVも車高が高く、ボディ形状的に大きなバッテリーを搭載しやすいのが特徴です。

ボディタイプがある程度限定される傾向は電気自動車の特性に由来するので、ガソリン車並みのバラエティを望んでも超高価格帯以外では当面難しいかもしれせん。


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初めての買い替えなら、BYDの電気自動車がおすすめ


初めてのEVを選ぶなら、BYDが日本国内で販売中の2つのモデルがおすすめです。

先行して発売されたミドルサイズSUVの「ATTO3」と、コンパクトなファミリータイプの「ドルフィン」です。


どちらも、安価で劣化に強く、高い安全性が立証されたLFP電池を搭載しており、このバッテリーによって、非常に高いコスパを実現しています。

外部給電のV2H/V2Lに対応しているので、非常用蓄電池として利用することも可能です。


ATTO3、ドルフィンともに、独自の内装コンセプトや機能性重視のデザインは目を引くものがあり、その高いコストパフォーマンスが日本でも注目を集めています。


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電気自動車への買い替えは2025年以降でも遅くはない


いかがでしたでしょうか。


車両価格の低下、充電インフラの拡充、自動運転技術の搭載、ラインナップの充実、補助金打ち切りのタイミングなど、EVへの買い替えを促す材料はこの先、波状的に訪れます。

電気自動車への買い替えは、こうしたさまざまな材料が出揃ってくる2025~2030年頃というのが結論です。

この記事で取り上げたポイントを注視しながら、ご自身が納得できる買い替え時期を見極めてください。


BYD横浜中央店では、「ATTO3」と「DOLPHIN」の試乗予約を承っております。


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